ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシック/1966カルテット

2011/06/22

感想

t f B! P L
ビートルズっていうのは、世界各国でいろいろなアレンジがされたCDが発売されているように、どちらかというとカバーしやすいんだよね。もちろん、彼女たちのように、バイオリンやピアノでも。ビートルズ・オルゴール集とか出てるくらいだから。

なんでかっていうと、ビートルズは人間がロックで出し得るすべての音を、すべて4人で表現してしまったから。

チャック・ベリーやバディ・ホリー、1950年代に花開いたロックンロール。ビートルズは(もちろんストーンズもクラプトンもジミヘンもみんな)彼らの音楽を聴いて育った。そのころは、音楽というものは、プロの作曲家がかいた曲を、プロのミュージシャンが演奏して、プロのシンガーがうたう、そういうものだった。自分たちで作詞曲や編曲、さらに演奏や歌までこなすなんて、そんな馬鹿な!って時代。ビートルズはそれを初めてやっちゃって、さらに世界じゅうの民族音楽なんかを積極的に楽曲に取り入れてしまったあげく、ロックやポップスで表現できる音はぜんぶ演りつくしてしまった。だからいまある既存のロックって、ビートルズの遺産を食いつぶしてるだけに過ぎないんだよね、とは有名な話。

カバーアルバムに手を出して僕が「失敗したぁ」と思うことはよくあるんだけど、そういうのってたいがい、楽器を代えて演奏したけど、メロディをなぞっているだけで、朗読でいえば「棒読み」みたいな印象になってるから。それでけっきょく、作業用BGMに落ち着く、みたいな。

それを踏まえたうえで、このアルバム。

『Let It Be』はアルバムバージョンで編曲してほしかったなぁ、とか、『While My Guitar Gentry Weeps』はエリック・クラプトンのギターソロを端折っているのは納得いかない、とか、『In My Life』や『I Am The Walrus』は聴きたかった、だの、そういう愚痴はところどころ出ているものの、ビートルズクラシックカバーにありがちな「棒読み」な演奏ではぜんぜんないし、編曲がなんといってもすばらしい。

抑揚のある演奏で、なんだか聴いているとジョンの神懸かった声が聴こえてくるみたいで、とても不思議な気分になった。天国から「僕の声が聴こえるかい?」と、彼女たちの楽器を通してジョンが語りかけてくるような、そんな不思議な気分に。

元々クラシックっぽい『Eleanor Rigby』はオリジナルのままのイメージだったんだけど、これは忠実にカバーしたのかな?と思いきや、後半からかなり凝ったアレンジが加えられている。『Hey Jude』にパッヘルベルのカノンをかぶせたのは純粋に感動したわ。すごいわ。いったい誰のアイデアなんだ。

これをポールが聴いたら、どんな顔をするだろうね。ジョンが愛した日本という国の女性4人が、自分たちの曲をこれほどまでにすばらしく演奏してくれているって、どんな顔をするだろう。きっとこのCDを流して、ピアノを弾きながら、『Yesterday』を歌ったりしてね。

BGMにしておくにはもったいない。静かな午後にじっくり聴き入りたくなるアルバムだった。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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