ウィ・ウィル・ロック・ユー ~クイーン・クラシックス/1966カルテット

2011/12/26

感想

t f B! P L
1966カルテットのカバー・シリーズ第二弾。

なんとなく前回のビートルズのカバーのジャケが『With The Beatles』のパロディだったから、今回のクィーンはたぶんこれだろうなとはやんわりと。そういえばクィーンの結成40周年だったのかな? フレディが旅立ってからもちょうど20年にあたる(奇しくもきょうはフレディの命日だ)。クィーンにとってはメモリアルな節目の年なわけですね。前作『ノルウェーの森』のカバー集に僕がビートルズのなかでもっとも愛する『In My Life』が入ってなかったように、今回の『ウィ・ウィル・ロック・ユー』にも僕が大好きな『Seven Seas Of Rhye』は収録されなかったね。

クィーンというバンドは、ビートルズと同じく、どこかクラシカルな要素を合わせ持ったロック・サウンドなんだけど、おそらくはフロントマン、フレディ・マーキュリーとギタリスト、ブライアン・メイ、そしてリズム隊であるロジャー・テイラーとジョン・ディーコン、この4人のあまりに突出した演奏の個性と独創性があいまって、世間的にはビートルズほどたくさんのクィーンのカバーアルバムは(特にクラシックでは)リリースされてこなかった(時代も微妙にズレてるしね。60年代とともに消滅したビートルズに対して、クィーンがデビューしたのは73年だ。1969年と1970年、この1年は大きく違う)。

その折に、このアルバム。

HR/HM、プログレ的なサウンドとともにカントリー風でジャズィーな音も聴かせる、ブライアン・メイのあの変態的なギターの魅力をここまでバイオリンやピアノで表現できるって、生半可なミュージシャンにはないものじゃないだろうか。たしかリブ・フォーエバーあたりでは、トレブルブースターを2個連続で接続してたと聞いたことがある。VOXのAC30はジョン・レノンも使っていたアンプだけど、ノーマルチャンネルをフルアップさせることでメイは信じられないくらい歪みきった音を出している。それをバイオリンやピアノでどう咀嚼して昇華するかが、個人的にはとてもとっても楽しみだったんだけれど、な…なるほどクラシカルで、かつロックンロールで、すごくうまく調和されてる音が聴こえる。荒々しくて、でも引き締まってて、相反する概念をひとつの音に共存させているような。ビートルズのときとは違う。あーそういう音ですね! そういうアングルからのアプローチですね!

ロックの定義っていうのはその国や時代の価値観によるところが大きいので一概には言えない。安全ピンと南京錠がパンクの象徴だった時代もあるし、ラメ入りの服やロンドンブーツがグラム・ロックの代名詞だった年代もある。でもこの4人はクィーンが生きた(主に)1970年代から80年代のロックの価値観をうまくとらえている気がする。個人個人がどれくらいこの時代のロックに傾倒しているかは知らないけど(そもそもクラシックの人ってガンズ・アンド・ローゼズとかデヴィッド・ボウイとか聴くんだろうか?)、たんに譜面どおりに演奏してちょこっとアレンジを加えるくらいではこれほどの作品にはならないと思う。もともと生ドラムやエレキギターで生み出したビート感を、弦楽器で表現するのって本当に大変なことなんだろうし、このアレンジがいまひとつっていう声も、あるいは僕はうなずける。それはたぶんきれいにふたつにわかれるはず。でも僕は好きです、こういう音。クラシックだから華麗に弾けばいいってもんじゃないよね。ロックとクラシックの折り合いのつけ方が難しいのは想像にたやすいし、そのなかでこういう音を選んだのは英断だと思う。クィーンにはあってビートルズにはないファクター(という表現が適切かどうか)、それがこのアルバムのレヴューの重要なポイントになってくる気がする。

でもこのアルバムはクィーンの壮大で美しいメロディをただなぞってるだけのコピーじゃない。個性を主張しつつ、でもリスペクトをもって、オリジナリティのあるトリビュートをしている、みたいな感じ。みなさんの演奏力は高いのはクラシックに詳しくない僕が聴いてもわかる(クラシックに詳しい蘭ちゃんも絶賛!)。

世のなかには、奇跡としか言いようがない巡りあわせで集まっている、そんなバンドがいくつか存在する。ほかの誰が入っても、誰が抜けても、決して成立しない、そんなバンドが。クィーンもそのひとつ。1966カルテットは、そんな奇跡的な邂逅のなかに違和感なく溶け込み、その奇跡の旋律の持つ魅力を引き出させている。類い稀な表現力を持った4人。すなおに笑みが止まらない。

だいたい『Bohemian Rhapsody』を2曲目にもってくるなんて、僕のなかではhideさんが PSYCHOMMUNITY で『GOOD BYE』をアルバム中盤の12曲目にもってきたようなもので、逢って早々さようならを言うようなもの(あくまで僕のなかではね)なのに、この曲順が妙にしっくりくる。違和感がない。まぁジャケの関係なんだろうけど。『Bohemian Rhapsody』のMVをオマージュしたからかもね。それにしてもこのアルバムのなかでも『Bohemian Rhapsody』は個人的には最高の作品。重なり合うコーラスワークや重厚なバンドサウンドの重みが本当に見事に再現されている。




余談だけど『Bohemian Rhapsody』でほかに僕のお気に入りのカバーは、RAG FAIR が武道館公演で歌ったアカペラバージョンだったりします。これはほんとに余談だね。笑""
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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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