セカンド・ドリーム〜もうひとつのセンター・コート〜

2012/02/27

感想

t f B! P L
この本、小学生のとき大好きで、何回も読み返した。小学校時代に読んでた本で、もう読まないであろう本とか漫画とかは中学のときぜんぶ古本屋に売ったことがあるんだけど、この本は処分せずに残してあった。高校に進学しても、専門学校にあがっても、一度も手に取ることのなかったこの本。どうしていまになって取り出して読んだかというと、先月の初頭に小学校でタイムカプセルを掘り起こしたときに出てきた手紙に由来する。その手紙は12歳の僕が8年後、つまりいまの僕に宛てた手紙で、手紙の最後にはこう書いてあった。



「たった1回のイージー・ミスが、20回のスーパー・ショットを台無しにしてしまう場面もあるし、逆に、1回のスーパー・ショットが20回のミスを救うこともある」



この言葉はこの松岡修造さんの本に書かれている、当時の僕の大好きな言葉で、長い年月をかけて記憶の片隅に置き去りになって忘れかけていた言葉だった。なにしろ僕は16歳を最後にテニスを辞めている。このまま忘れ去ってしまっていても不思議ではなかった。その言葉が、何年もの沈黙をやぶって、僕のもとに届いた。だからなんとなく、もう一回読んでみようかなという気持ちになったんだ。

この本は、いわゆるエッセイで、修造さんのテニスの生い立ちを振り返るように書かれている。目立ちたがり屋だった少年時代から、プロとして死にもの狂いでもがいた日々、相次ぐ怪我や病気との闘い、支えてくれたたくさんの人々、親友や、奥さんとの出逢い、ウィンブルドン…。夢をあきらめないこと、努力することの美しさと、それが誰にでもできるっていうこと、精神の持ち方。数々の挫折を経験してきたからこそ語られる等身大の文章が、たしかに12歳の僕の心を動かした。そしていまも、同じように共鳴する感覚がある。

人よりもうまくなる秘訣はたったひとつ、人より多く球を打つだけ。あたりまえだけど的を射ていて、いいわけを蒔いた地に立つ自分を叱咤する。たとえば、100回叩けば、開かれる扉があったとする。人は、100回ということがわかっていれば、100叩くのだけど、わからないままに99回であきらめてしまうかもしれない。だから、いつ開かれるかわからない扉を、開くまで叩き続ける。夢は、叶う。そんな言葉が強い励みになる。

不運は幸運の隣りにいるなら、幸運はまた不運の隣りにもいる。夢だとか努力だとか、人は陳腐だと笑うかもしれない。それでも僕はこの本をいま読んでよかったと思っている。自分を信じること、それがなによりの近道になることを教えてくれたから。

「勝敗を分けるのは、いつでもたった一球だ。だが、プレーをしているときは、どれがその一球かわからない。だから、最初から最後まで、どんな球でも安易に打つことは許されない」

テニスに限らずだけど、スポーツの精神論は人生にも役に立つね。

このブログを検索

自己紹介

自分の写真
好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ