【感想】Let It Come Down ‘n’ Look To The Sky / James Iha

2013/03/20

感想

t f B! P L
1998年、スマッシング・パンプキンズのギタリストだったジェームス・イハがリリースしたソロ1stアルバムのリマスター盤と、その14年後の去年にようやく出した2ndが売ってたので衝動買い。

1st アルバム『レット・イット・カム・ダウン』は、あくまでアコースティックな雰囲気を基調としたアレンジ。2nd アルバム『ルック・トゥ・ザ・スカイ』ではそれを踏襲しつつ、シンセやドラムマシンを入れてみて、まるで映画音楽みたいな印象を受けた。

イハくんのギターは好きだ。スマパンのときの彼はメイクアップしたグラム・ロックのミュージシャンみたいかもしれないけれど、実はこういう音楽が彼の人柄なんだろうなって、「ビューティ」のアルペジオを聴いた瞬間思った。ディストーションの効いた激しいギター・サウンドももちろんスマパンでみせた彼の個性のひとつではあるんだけど、もっと、物憂げで、哀しげなロックがイハくんらしい。それだって、終始マイナーコードで陰鬱にうたうわけじゃなくって、ディレイのかけかたやノイズの乗せかたなんかで強弱や抑揚のメリハリはつけた哀愁ナンバー。

1stはかなりネオアコっぽい雰囲気。いっぽうでニール・ヤングのようなアレンジやコーラスワークが目を引く。「ワン・アンド・トゥー」では元スマパンのダーシーがコーラスをしてるし、おなじく元スマパンのマット・ウォーカー(チャンバリンの後任ドラマーだね)とか、ヴェルーカ・ソルトのニーナ・ゴードンとか、イハくんと交友のあるミュージシャンたちがそろって参加してる。たのしそう。ブックレットにレコーディングスタジオでの様子が写真として収められていて、こんなふうに好きな楽器が手の届くところにたくさんある生活をするっていうのは憧れる。

2ndの共同プロデューサーのネイサン・ラーソンのドラマティックなストリングス・アレンジは「ドリーム・トゥナイト」なんかでかなりいい仕事してる。マイク・ガーソン(デヴィッド・ボウイの曲でよく弾いてたひとだね)ののたうちまわるようなピアノが印象的な「アペタイト」には、ex.テレヴィジョンのトム・ヴァーレインがギターで参加してて、これもいい味だしてる。「ウェイヴス」から「スピード・オブ・ラヴ」の流れは完ぺき。こういうギター・ポップを待っていたような気分にすらなる。そう思わせる魅力がこの曲にはある。

ex.スマッシング・パンプキンズのイハがつくる、メロウでハートフルな愛についての解釈。ロマンチストな男がうたう愛の歌。もちろん歌詞は英語なわけだけど、伝わってくるものがある。変に奇を衒ってないからっていうのもあるんだけど、たぶん、ギターがあるから歌詞の感情がストレートにはいってくるんだろうし、歌があるからギターの感情が心地よく響いてくるんだろうと思う。どっちかが欠けたら成り立たない、ギターと歌のSync。あたたかな含みをもつイハくんのボーカルは「空」とか「星」とかいう、アブストラクトなワードにやさしい説得力をもたせてて、こういうのがジェームス・イハのロックなんだなって。言葉にするとたしかに歯がゆいしこそばゆいけどね。うつくしい。

音楽で涙をながすのはずいぶん久しぶり(ふだんそんなに泣かないのだよ)。それが、影響を受けた大好きなバンドのギタリストだったことはよかった。井葉吉伸、ジェームス・イハ。まちがいなくすばらしいソングライターであり、シンガーであり、ギタリスト。さて、14年ぶりの2枚目の次は、いったい何年後になるのやら…。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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