【感想】BLEEZE〜G4・III〜/ GLAY

2014/07/19

感想

t f B! P L
表題曲「BLEEZE」は、アニバーサリーライブGLAY EXPOのテーマソングになってて、作詞作曲はボーカルのTERUさん。GLAYは二〇一二年にHISASHIさんの『JUSTICE [from] GUILTY』、JIROさんの『運命論』と、初めてTAKUROさん以外のメンバーがかいた楽曲をシングルとしてリリースしたわけだけど、そういう流れもあってか、二十周年という節目にTERUさんの楽曲がシングルになるというのはおもしろくもありもっともでもある。

ここ数年のGLAYの貪欲さには心惹かれるものがあって。たとえばloversoulやG-DIRECTの設立でファンとの距離をより縮めようとしたりすることからもそれはうかがえるわけで。やろうと思えば、L’Arc-en-Cielみたいにワールドワイドに活動することだって、いまのGLAYならできるはず。そういうプロモーション力はたしかにあるはずなのに、それをせずにいま目のまえにいるひとたちと密にコミュニケーションをとろうとする姿勢には、日本でGLAYを聴けるというよろこびも増すってもんよ。ラルクはもはや世界で通用してるバンドだし、MAN WITH A MISSION、SEKAI NO OWARI、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfumeみたいな、世界を相手に活動するアーティストがたくさんいるなかで、これもGLAYが選んだ道のひとつ。

その流れで、TAKUROさん以外のメンバーの楽曲のシングル化や、永井利光さん以外のさまざまなドラマーとのレコーディング・セッションと、まだまださきを見すえてる彼らのすがたは心底たのもしい。すくなくとも「充電期間」「長期休養」みたいなワードはGLAYの辞書にはないみたい。

じつはTERUさんは当初、自身の楽曲のシングル化には乗り気じゃなかったそう。やっぱりシングルが売れる時代を駆けてきたバンドなだけに、ファン以外のひとも耳にするとか、GLAYのパブリックイメージを背負うとか、シングルの持つ責任やプレッシャーをフロントマンとしておおきく感じてきたんだと思う。でも、東北でのGLAY EXPO、メンバーでだれより東北を訪れ、チャリティーソングの発表などもしてきたTERUさんだからこそ、そこに向き合うことができたんだよね。そしてできあがった「BLEEZE」、もう言うことはない。

これはG4・IIIということで、カップリングはほかのメンバーがそれぞれ作曲。これがまた、おもしろい。

「外灘SAPPHIRE」はTAKUROさんの作詞曲で、これはもうあきらかな挑戦作。キャッチーでメロディアスな曲はほかのメンバーが書くだろうし、「Eternally」をかいといていまさらバラードを任されることもないだろう、という先読みがあったはず。ハードなギターリフ重視の重厚な楽曲。歌よりも、歌詞よりも、まっさきに飛びこんでくるのがギターの音色。

HISASHIさんの「黒く塗れ!」は、あいかわらずソリッドなギターが疾走感あふれるテンポでたたみかけてくる。マシンガンのようにぶちこまれる、独特な影のあるワード(僕は勝手にHISASHI語と呼んでいる)はもはや解読の余地なし。HISASHIさんにしかわかんないんだろう。きっとデモ段階から稠密につくりこまれていたんだなとは想像に難くない。

最後の「YOU」はJIROさん作。JIROさんといえば、有名なのは「SHUTTER SPEEDSのテーマ」「ビリビリクラッシュメン」、最近だと「THE BIRTHDAY GIRL」「absolute “ZERO”」みたいなパンキッシュな楽曲か、「neverland」「リズム」「運命論」みたいなポップなミドルテンポの楽曲かのどちらかってイメージがあったけど、今作は低音が心地良いすこしアンダーグラウンドなヒューマンバラード。ひさしぶりにJIROさん自ら作詞したストレートな歌詞は、飾り気がなくてシンプルにイイネ!って思える。

ずっとお世話になってきた佐久間正英さんの死を受けて、それでもまだ見失わない“That’s GLAY”は、アルバム『JUSTICE』のセルフプロデュースがひとつの確固たるケジメになってるはず。亀田誠治さんのプロデュースのもと、ブレないGLAYらしさは彼らの力であって、亀田さんの腕でもあって。

90年代、思えば「Yes, Summerdays」がカメリアダイアモンドのタイアップに決まったときから、映画とかドラマとか、アニメとかCMとか、そういう企画ありきの音楽と向き合ってきたGLAYのシングル。そのなかでも「春を愛する人」(シングル『口唇』のc/w)みたいなファンに愛される楽曲を落としこんできたのは言うまでもない事実。で、シングルCDが売れなくなって、その価値が問われるようになった世間の流れのなかにいたときに初めてファンタイムなシングルをつくろうとリリースされたのが二〇〇六年『G4』(僕がリアルタイムで初めて買ったGLAYのCDだ)だったはず。今回の『BLEEZE』もそういう流れを汲んだ立ち位置であって、EXPOに向けてファンによろこんでほしいという思いがひしひしと伝わってくる。

HISASHIさんが言うように、スナップ写真を音楽に例えるなら、キメ顔みたいなのがシングル。でも最近のGLAYはたまたま撮れてた肩の力が抜けた自然体のすがたを「ああ、その写真つかうの?」ってぐあいにシングルに採用したりしてて、あまりシングルらしさ、カップリングらしさを追求してないよう。



だから新鮮なGLAYが見れるし、だからアルバムのつくりかたの幅も広がる。これからのGLAYがほんとうに楽しみだ、って、いったい何回くらい言ってるっけな、俺。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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