SPYAIR LIVE 2015 ROCKIN’ OUT 4/25 追加公演 at Zepp Nagoya

2015/04/26

感想

t f B! P L
生のSPYAIRを観るのは、じつに3年か4年か、それ以上ぶりだ(あまり憶えていない、バカだから)

2014年5月21日、朝だった。SPYAIRのボーカルIKEさんが、自身のツイッターに「SPYAIRを辞めます!」と投稿した。直前には「広島のホテルのベットの上、右手のiPhoneから発信しています。誰とも相談はしていない 自分の判断で決めました。聞いて下さい。そして伝えて下さい」とあった。

それを受けて、メンバーで話し合ったであろう時間が空いて、追随するようにドラムのKENTAさんは「メンバーとファン、スタッフの皆を守れない俺はバカだ。こんな所で終われないよな。心配かけてゴメンな!メンバー全員諦めてなんかないからな!」とツイッターを更新。ギターのUZさんも「絶対に諦めないから」とファンに誓った。

GLAYのTERUさんは、心配の声をツイッターで投げかけ、氣志團の綾小路翔さんも「IKEくん、ダメだ。僕らはバンドマン。一人だけで決めちゃダメだ。進むも止まるも受け止める。だけど、まずはどうかメンバーと話し合って欲しい」とコメントした。

声帯ポリープと急性声帯炎を併発させ、喉の症状に長期療養が必要と診断されたIKEさんは、バンドのフロントマンとしての責任の重大さを感じ、さきの決断をしたらしい。2014年5月、急性気管支炎を発症し、その後のツアーはすべて中止。バンドは事実上の活動休止状態にあり、その責任感はそうとうなものだったと思う。それゆえの脱退宣言、たしかによくない行為ではあるものの、音楽に真剣に向き合っているIKEさんの人柄もうかがえる。

2ヶ月後、IKEさん本人の口から、脱退宣言への謝罪と、音楽活動への意気込み、バンドの解散の否定が発表された。リリース予定だった未発表曲もYouTubeに公開、もういちど歩きだしたSPYAIR。ベストアルバムのリリースでバンドのバイオグラフィーにひとつの明瞭な線を引き、原点・栄公園でフリーライブ、その後Zepp DiverCity Tokyoで復活公演をおこない、リスタートした。

その後の初ツアー、観に行くにはちょうどいいと思い、チケットをとった。厳密に言えば、CD購入者限定先行予約に落選し、一般発売ではぴあのサーバーダウンによりアクセスすらできず、ひととおり落胆したところで名古屋のみ追加公演の発表を目し、オフィシャルHP先行予約でからがらチケットをとった。

冒頭に書いた、三年か四年か、ヘタしたらそれ以上まえに観たSPYAIRは、まだネクストブレイクといった感じの時期で、たしか1st ALをリリースした直後くらいの時期だったと思う。僕はお客さんではなく、スタッフだった。もろもろあって、物理的にはお客さんよりも近い位置でSPYAIRをみたときのこと、まだ憶えている。せまいホールに満員のオーディエンスを沸かせたSPYAIRを支える末席に加われたことは、いまとなっては個人的な貴重なおもいでになっているけど、せつ然と当時のステージは思い出せる。

そんなわけで、Zepp Nagoya、追加公演。

コインロッカーにカバンやら上着やら荷物をあずけた直後にタオルをカバンに入れっぱなしなことに気づき、300円オジャンにしてもういちどロッカーを閉め……るための300円が手元にないことに気づく。あたりまえだ。用意してた300円はついさっき使ってしまったのだから。

デニムのポケットには、チケットとドリンク代の500円、あと念のための千円札しかない。千円両替をしようにもロッカールームは大混雑で、とても荷物を置きっぱなしにして出られる状態じゃない。すると、となりのお姉さんが百円玉をジャラジャラと入れたコインケースを持っていることに気づく。藁にもすがる思いですかさずたずねる。

「すいません、千円、両替できませんか?」

お姉さんは気さくに「いいよー」と答えてくれ、ご丁寧にも「はい、10円玉が一、二、三、四、五枚ね。50円玉が一枚。100円が一、二、三、四で合計500円ね。あとこれ、500円玉」と、オールマイティに応用できるかたちで両替してくれた。僕は100円玉が3枚あればそれでいいのに…。ありがとう、お姉さん。愛しきマイエンジェル。

「ちゃんと確認してね」とお姉さんは言うが、「だいじょうぶです」と押し切った。なにしろてんやわんやで軽くパニックだったし、そんなに悪いひとにも見えなかったから。

整理番号順に列をなしてならび、まだ点灯していない街灯のさきに真白な三日月を見あげ「昼前の〜空の〜白い〜月は〜」と脳内でレミオロメンの『3月9日』を再生するが、すぐさまいまはもう夕方だということに気づく。そう、もうすぐライブが始まるのだ。ワクワクもドキドキである。

さぁ、いざ開演。照明が落ちる。雑踏のがやがやとした声が歓声に変わる。スモークのたかれたステージにメンバーが現れると、歓声もいっそうおおきくなる。『ROCKIN’ OUT』のイントロが流れると、一曲目からみんなで踊る。『WENDY~It’s You~』では大声でうたい、『0 GAME』や『虹』では満員のオーディエンスによるアンセムが響いた。

このひとたちが…、3年か4年か、それ以上まえに観たこのひとたちが、いま二千人弱のハコをここまでアツくさせている。ステージを観ながらすこしだけ感傷的な思いになった。こうやってロックバンドはおおきくなるんだな、って。

おかえり。ほんとうにおかえり。すばらしい夜だった。サイコーのステージをありがとう。ZIP-FMの「Radio」のアコースティックver.もふくめ、地元・名古屋でSPYAIRを観れたことへの多幸感たるや。

開演が終わると、みな散り散りに歩きだす。大半は名古屋駅へと歩を進めるのだが、もちろん会場前でひとりでだれかを待つひともいる。このなかのみんなが、さっきまでおなじ歌に涙し、拳を振り、踊り狂っていたのかと思うと、いつも不思議な光景に思える。名古屋駅の手前まで着くと、SPYAIRのバンドTシャツを着たひともまばらになり、僕の乗るバスが来るバスセンターまで到着したら、仕事帰りのサラリーマンや買いもの帰りのマダム、あとはトランクを引きずった旅行者ばかりだった。行きの道か帰りの道か知らんけど。

SPYAIRのバンドTシャツを着た男の子が、僕のうしろでバスを待っていた。話しかけはしなかったけど、いろんなとこから来るもんだな、と感心した。その男の子は、うちの近所のバス停で降りた。

IKEさんが言った「ただいま」には、どんなところへの意味が込められていたのだろう。脱退発言? バンドの活動停止? 中止になった前回のツアー? それとも、地元名古屋へ?

たぶん、ぜんぶだ。あらためて「おかえり」と言いたい。「わぁったよ、もういいから」と言われるまで言いたい。

「今日、観に来てくれたひと。観に来れなかったひともいると思う。ずっと応援してくれるひともいるだろうし、何年かさきには『SPYAIRァ? もう嫌いだよ』と思ってるかもしれない。みんなそれぞれそのときに、好き嫌いがあって。そんななか、今日、都合をあわせてここまで来てくれたことに感謝しています」

「俺たち、すぅーげぇ幸せ者だよなぁ? こんなに誇らしい地元をもって。名古屋、愛知、東海、これからもよろしくな」

あのときの脱退騒動をふりかえって、インタビューでは「誰かがそうなってもおかしくなかった」「それに気づかないフリをして進もうとしていた」そんな本音がメンバーからは発せられた。でも、きっとだいじょうぶだよ。GLAYだって一時期はベースのJIROさんが脱退したいと言っていた。ギターでリーダーのTAKUROさんは「つらかったら、ツアー、やめるか?」と、ホテルのJIROさんの部屋のドアの下からメッセージを入れたと聞く。でも、いまのGLAYはあんなにすてきなバンドになっている。IKEさんも、SPYAIRも、これからもっとおおきくなるよ。

さぁ、ツアーはまだ始まったばかりだ。いってらっしゃい、見えないところまで。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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