ボイパ一発ゲイ

2015/07/21

essays

t f B! P L
ちょっと友人の運転で出かけていた。今回ここにはなすことが起こったのは帰り道だから、出かけた内容そのものはカットする。帰り道でのことだ。

友人が「コーヒー飲みたい」といってコンビニに車を停めた。どうせすぐもどるだろうし、友人も「すぐもどるから待ってて」と言ったので、エンジンを切って窓だけ開けてもらって、僕は車内で待つことにした。

しかし5分くらい経っても友人はもどってこない。車からコンビニの店内を見渡すことはできなかった。しかたなく「パンでも買おうと悩んでいるんだろう」と思うことにして、僕はボイパ(口唇をはじいてパーカッションの音を出す、通称ボイスパーカッション、あるいはヒューマンビートボックス)でブンツクパンツクとひとり黙々とリズムを刻んでいた。

…つもりだった。

僕が黙々といそしんでいたボイパは、となりに停車していた車の運転手に聞こえていたらしい。黙々とやっていたはずなのに、窓を開けていたがゆえに筒抜けだったわけだ。となりの車の運転席から、僕のボイパに合わせてこんな歌が聞こえてきた。

♪I wanna be your man〜(♪彼氏になりたい〜)

ローリングストーンズの有名な歌だ。驚いて横を見やると、ボブ・サップ(アメリカのプロセスラー)とホセ・ロペス(ベネズエラ出身のプロ野球選手)を足して2で割ったような体格のいい黒人男性が、タバコをふかしながら僕にウィンクして、「Won't you think so?(そう思わないかい?)」と返答をあおってきた。

ヤバい。

僕はいま、自分の二倍はありそうな重量感の黒人男性から、「彼氏になりたいとは思わないか?」と言われているのである。そして返答を要求されているのである。ヤバい。どう考えても同性愛のにおいがする。僕は異性愛者なので、この状況はどうにもヤバい。黒人男性はなおもウィンクを絶やさず定期的に「Oh?」「Hi~」などとコンタクトをとってくる。ピンチである。

ボイパどころじゃない。しどろもどろとしていると、黒人男性が彼の車のドアを開けた。むろん、僕の目を見ながらである。これはもうどう見てもそういう展開にならざるを得ない。すると、

「おまた〜」

と友人が反対方向から車に入ってきた。助かった。奇跡的タイミングジャストミートだ。僕は、「ラッシュアップ! ラッシュアップ!」となぜか英語で友人を急かし、窓を閉め、車を出してもらった。「サンキュー、サンキュー、グッドタイミング」とパニクった僕は英語で友人に感謝の意を述べた。

黒人男性は「Oh~」と残念そうに我々を見送っていたが、彼は、いったいどういった用件と了見で僕に話しかけたのだろうか。

「レオは、ゲイ受けよさそうな顔立ちだね」

そのむかし、イギリス人にそう言われたことを、車内で反芻していた。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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