ネタバレ全開! 感想「映画ドラえもん『のび太の宇宙英雄記』」

2016/03/05

感想

t f B! P L
毎週テレビ朝日のミュージックステーションを録画してる。今週はMステはなかったんだけど、その代わりに映画ドラえもん『のび太の宇宙英雄記』の放送がHDDに録れていた。今日が『新・のび太の日本誕生』の公開日だからその記念ということなんだろうな。

昨年、高校の先輩であるグミPといっしょにこの作品を観に映画館に観に行ったのを憶えてる。とてもいい映画だったけど、二人で文句や不満をこぼした映画でもある。

まぁもっとも、結論から言うとさっきも書いたけどとてもよかった。大長編ドラえもんといえばコレだよね!といったストーリー展開、脚本の組み立て、縮図の演出、それらが随所に見られてとてもよかった。

ドラえもんの映画といえば、やっぱりまず「のび太たちの住んでいる町で、ややあって異世界人との接触がある」こと。この異世界人とは、おなじ地球に住んでいるがフィールドが異なる天界人や地底人、またはパラレルワールドに住む宇宙人や魔界人、あるいはタイムマシンをつかうことによる未来人や史上人だったりもする。

そして、その「異世界人の住んでいる世界で攻略すべき試練をあたえられる」こと。これは今回、ゲストキャラクターである宇宙人アロンの住む惑星で、忍び寄る敵「宇宙海賊」をやっつけるというものである。

さらに、「異世界人の住む世界を救い、さまざまな気持ちの浄化とともに正義が勝つ」ことだ。ここには、各ファンによってカタルシスを感じられるだろうから、いまのところは深くは言及しない。

そういった意味で、グミPも僕もそこにはおおいに納得ができた。音楽的にも、バンドサウンドがあり、オーケストレーションな楽曲もあり、幅ひろい支持をあつめられるサウンドトラックだった。

それでももちろん、映画を観るからには文句もある。グミPは言う。「もっと“のび太のひとことで泣かせられる脚本”はつくれるよね」と。

たしかに、この作品では、のび太の「心やさしい一面」が意図的にカットされていたように感じた。アロンに協力する場面では、スネ夫が「もう帰ろうよ! こんな敵かないっこないよ、僕らは本物のヒーローじゃないんだから!」とビビるシーンがあるのだけど、そこでジャイアンやしずかちゃんが、“なしくずし的”に「いや、でも協力しよう」と決断する流れになっちゃうのだ。

だがしかーし!と声を大にして言いたい。我々いい歳した大人2人が思うに、のび太の視点から見ても、ここはのび太のひとことで決断できたはずだ。

その心は?というのも、のび太はここまでのシーンで、「アロンがほんとうに自分たちをヒーローだと信じてくれたこと」「アロンが自分たちにやさしく接してくれていること」に気づきを得ている。そう思わせるシーンもしっかりと演出されていた。そこまでの気持ちの浄化の準備ができているのなら、のび太がここで「アロンはこんなに僕らのことを信じてくれているんだよ⁉︎ こんなに良くしてもらったじゃないか!」と説得して、しばらくの静寂のあと、ジャイアンが「スネ夫、俺はのび太を信じる。みんなでこの世界を守ろうぜ!」とか、しずかちゃんが「そうよ、みんながいればきっと大丈夫よ!」とか言っていれば、もっと感動できたし、のび太を立てることができていたと思うのだ。

2006年に、声優やスタッフを一新してからの映画ドラえもんは、「のび太と〜」「のび太の〜」ではなく、「みんなが主役」をテーマに制作されてきた。これは、サブタイトルが「ペコと“5人の”探検隊」「はばたけ天使“たち”」等としめすとおりである。もともと原作の藤子F先生は「みんなが主役」をやりたかったものの、80年代の漫画の風潮として、“ヒーローはひとり”というネックがあり、しかたなくF先生も「のび太は一年に一回だけ、ヒーローになるんです」と発言する作品を描いていたわけで。

現在のスタッフは、そのおおもとの意志を汲んで制作を進められており、ようするに本来ならこれがF先生の描きたかったほんとうの「大長編ドラえもん」だったのだ。しかし、その「みんなが主役」主軸を保とうとするあまり、のび太へのスポットライトがすこし弱くなってきている気がどうもした。

たしかに、これまでリメイクされてきた『新・鉄人兵団』『新・大魔境』では、それぞれしずかちゃんとジャイアンがキーパーソンになっているため、みんなが主役を演じる意味はじゅうぶんにあった。『ひみつ道具博物館』では、ドラえもんとのび太の友情が見事に描かれている奇跡のような映画だった。だけど、グミPと僕の不安は来年に向いていた。

映画ドラえもんでは、上映後に5秒ほど「来年のモチーフの衣装を着たドラえもん」が、来年もまた観てね〜、と言うプチ演出があるのだけど、そのモチーフがどうやら『のび太の日本誕生』のリメイクだったからだ。そしてガッツリ予想どおり今年の映画ドラえもんは『新・のび太の日本誕生』になった。

『日本誕生』は、大長編ドラえもんの10周年の作品。そして来年は、声優スタッフを一新してからのちょうど10作目にあたる公開。そろそろ察してください。ドラえもんというビッグタイトルでも意外とそういう数字の演技はかつぐのかぁ〜と感心した我々であるが、それもそこそこに、グミPと僕の不安はまさにその“10作目”にある。

子どものころに観た『日本誕生』をいまいちどよく、よぉく思い出してほしい。あの映画はのび太の、のび太による、のび太のための作品だった。のび太が活躍しないとありえない映画だったではないですか。

なにが言いたいか? つまりそうなると、みんなが主役につとめるあまりのび太の存在が若干ないがしろにされている現在の気概で『日本誕生』のリメイクに臨むと、かなり痛い目を見ることになる。グミPは「来年はとにかく、のび太の活躍に全神経を集中させてほしいね」と言った。まさしく同感な僕だ。

何度も念押しするけどこの『宇宙英雄記』はとてもいい作品だった。常にしずかちゃんと行動をともにしたバーガー監督は、『海底鬼岩城』で言うところのバギーちゃんみたいな存在で、そのオマージュなんだろうな。まぁ強いて言えばこのバーガー監督が命でもって勝利を飾るような演出もアリだよね?とグミPは言ってたけど、まぁそのへんはひとそれぞれの感想だからしかたない。

なんにせよそんなわけで、この作品がよかっただけにこのたび公開される『新・のび太の日本誕生』には、僕とグミPのおおいなる不安と期待がのしかかっている。逆に言えばこれがパチリとハマったらものすごいことになる。てなわけで来週またグミPと観に行ってくるのでたのしみたのしみえんやらほい。この一週間がんばって生きよ。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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