愛と発語

2017/01/22

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日曜だというのに母校の制服を着た高校生は学校に通ってたらしい。大学入試も近いしね。たいへんだね、受験生って。

この日は母校のわりと近隣にあるフリースクールで簡単なパーティをしていた。お昼ごろに終わる簡素な会だったけども、まぁそれなりに楽しかった。学校に行ってない子どもはなにか特別な着眼点をもっている。諦観というか達観というか、まぁ僕も高校時代あんま学校に行ってなかったから先生なんかによく言われたけど、あの言葉は正しかったんだといまにして思う。言葉数は少なくても、表現力はおどろくほど豊かだ。

フリースクールを束ねる若松先生は日ごろこう言う。「上手にコミュニケーションがとれない子どもは、ここだろうとフツウの学校だろうと社会だろうといる。でもね、愛があれば言葉を交わさなくても、わかりあえるんだよ」

たしかに、引きこもりがちなフリースクールの児童にはおしゃべりが苦手な子が多い。そういう子には愛情をもって接しなさいというのが若松先生の弁だ。

さて、はなしは簡易パーティが終わってみんな帰るよってときに、雨が降りだしたところからスタートする。たしかに予報では雨が降るかも?みたいな文言がならんでいたけど、児童たちはしっかり傘を持ってきていた。お母さんの送迎があるうえに傘での防雨。雨が降るたびにずぶ濡れになって帰宅する僕にこの二段構えを染みこませてやりたい。

とはいえ今日はきちんと折りたたみ傘を持参した僕はえらい。しかしそのめったに使わない折りたたみ傘を開くのに5分くらい悪戦苦闘したので、これでチャンチャンだ。てか開くのに5分も苦労してたらたたむとき何分苦戦するんだよ。

5分。

とうとつだが電車にとってこの5分はとてもシビアだ。なにを隠そう、僕はフリースクールを終えたら電車に乗ってちょいと遠くまで行かねばならない用事があった。5分。これが1本の電車に乗れるか乗れないかを左右する非常にセンシティブな時間なわけだ。

折りたたみ傘ですでに5分のディスアドバンテージを明け渡していることをバカなことに忘れた僕はゆっくりと駅へ向かう。まぁたぶん間に合うだろうと綽々な心持ちでいたら、駅の階段のあたりで母校の女子生徒グループがうしろから走ってきた。

JK「やべぇ、電車が参る!」

(マジで!? 参る!?)僕は急いで時計を確認する。マジだ。

JK「ほらみんな急いで!」

(了解!)すぐさまロケットスタートを切る。

JK「ふー、間にあった」

(間一髪だったな!)無事に乗車完了。

JK「ひさしぶりにこんなに全力で走ったわーw」

(だなw)まったくだ。

愛があれば発語なんていらないんだよ。若松先生の言葉が身に染みてわかった瞬間だった。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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