ボーカルがイケメンのバンドはほんとうに人気がでるのか

2017/02/05

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「ボーカルがイケメンのバンドはほんとうに人気がでるのか」

この疑問はもはや、音楽を志す若者すべてのあたまを悩ます命題だろう、とたったいま勝手に断じることにする。世のなか売れているバンドの顔を見ると、基本ボーカルは美女かイケメン。アーティスト写真をひと目みただけでも「あ、このひとボーカルだな」とわかるバンドすらいる。

もちろん例外もある。メンバー全員が「まるで浪人生のようだ」と称されるKANA-BOON、わかりやすく女性ウケの悪そうなサンボマスター、ハンサムと呼ぶにはそこばくの抵抗が感じられるのび太ひきいるWHITE ASH、お世辞にもイケメンであるとは言いがたい元レミオロメン藤巻亮太など、例外とはいえ枚挙にいとまがない。まぁ個人的にKANA-BOONの谷口鮪くんは髪の毛をさっぱりさせれば男前な顔立ちだと思うし、サンボマスターの山口隆さんはあの顔だからこそうたえる歌の魅力を上手に引き出している。WHITE ASHは解散は残念だけどのび太くんはいい声してるし、日本人離れしたまるで洋楽を聴いているかのような錯覚さえ憶えるカッコいいバンドだ。藤巻くんにいたっては正直テイスティというか、端整ではないけども安心して見続けていられる謎の魅力がある。

はなしを元にもどそう。

世のなか売れてるバンドは顔がいい説。見るとたしかに一理あるし、面構えの残念なバンドはそこを上手に利用するなり演奏で圧倒するなりのカバーをしている。とはいえ、じゃあ顔のいいバンドはわりとそこを上手に使っているかといえばそうでもない。[Alexandros]の川上洋平、NICO Touches the Wallsの光村龍哉、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介。はっきし言って全員ストイックな努力家である。

それじゃあ、なんの努力もせずに顔だけで人気の出たボーカルはいるのか?

僕が高校時代に組んでいたバンドがそれだ。(※この物語はノンフィクションです。実在する人物・団体に起こったできごとをありのまま筆写しました)

「人気」の定義が日本列島から愛知県名古屋市までせばまってしまい申しわけないが、ウチのバンドは三重県の片田舎から愛知は名古屋のごくわずかな層に、多かれ少なかれの人気は出たと自負している。

ボーカルのナルくんは、実直に言って超弩級のイケメンだった。顔で言ったらHey! Say! JUMPの伊野尾慧くんにうりふたつだ。いまにして思えば双子じゃないかと、木曜のめざましテレビをみるたびにナルくんに確認メールを送りたくなる。僕のいた芸大にくらべたら、彼の顔面偏差値はマサチューセッツ工科大学のそれに相当する。ちなみにナルくんは中央大卒。フツウにあたまがいい。神は二物をあたえる。

むかしいちど、「バレンタイン・ライブ」という、男の欲望をそのまま演奏したようなイベントを仲間と企画したことがある。よこしまな感情を全面的にフィーチャーしたそのライブには、ありがたいことに150人のお客さんがきてくれた。

ライブハウスのスタッフのかたがたには悪いことをした。なにせ、来るのは女の子限定(それも共同参画社会的にひどいはなしだとは思うけど)。みんな我々のうち“だれかひとりだけ”にチョコレートをあずけてくれる手はずになっていて、スタッフさんがたはそれをひとつひとつバンドごとに割りあてて、さらにメンバーごとに振りわける作業を一任してくれたのだから。

そしてその日の終演後、ステージを去ると各位宛てに届いたチョコレートやお菓子が楽屋にびっしりと詰めこまれていることに気づく我々は、想像を絶する光景に唖然とすることになる。

楽屋に入ると、そこには100個弱のチョコレートが、楽屋の一角で山を形成していた。そしてその横に一列ならぶように、ポツリポツリと小山が成されていた。どういうことだ。近寄ってみると、衝撃の事実が白日のもと明るみになった。

そのいちばんおおきな山は、93個のナルくん宛てのチョコレートだった。横一列にさみしくならぶのは、残りのメンバー(僕込み)と、共演したバンドのメンバーに向けられたチョコレートだった。

ウチのバンドと共演したバンドとのメンバーをあわせると11人。そして、観にきてくれたひとが150人。その、93/150が、たったひとりに届けられている。おかしいな。こんな予定だったっけ。

ナルくんの93個のチョコレートの山は、荘厳にそびえるキリマンジャロのようだった。我々その他組のチョコレートは、せいぜい10個いくかいかないか。キリマンジャロにくらべたときの富士山と万里の長城とサクラダファミリアていどのものでしかない。こんなにもかなしい結末を神は用意しててもいいのだろうか。

けっきょく、目立つボーカルを女は好むという乱暴な結論で捨て鉢になった我々その他組は自暴自棄に打ち上げ会場に向かった。ボーカルがイケメンのバンドは人気が出る。たしかに、その日のライブでいちばん盛りあがったのはウチらだったらしいがさぁ。それにしてもさぁ。

ちなみに僕の獲得チョコレート数は12個。4人組のウチのバンドのなかでは規格外のナルくんをはじめギターのエイちゃんに次ぐ3番目に多い成績をおさめた。


なお、残る1人は女の子なので僕は実質3/3のドベです。あのときチョコレートをくれた12人には心からのほんとうに愛をおくります。世のなかやってらんねーことだらけだ。神よ。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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