【第14回】インスタント座談会

2017/03/04

instantradio

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  • れお: これさー、この企画、超ひさしぶりなんやけど。感覚おぼえてる?
  • あおい: あ、そうなん? なんとなくおぼえてるよ。
  • れお: チャットログ保存を使っておしゃべりする企画、題して「インスタント座談会」でございます。おひさしぶりです。
  • あおい: いやー、どうだった? 映画ドラえもん「新・のび太と日本誕生」は。
  • れお: 唐突すぎるし確信をつきすぎる。
  • あおい: まぁそれを話すためにこうしてるわけだからねー。
  • れお: はい、そうなんです! 1年遅れでドラえもんの映画を語ろうじゃないかという、我々の企画ここにあり!
  • あおい: 行ったねー、去年も公開初日にねー。
  • れお: 公開初日にドラえもんを観に行く二十代半ばになるなんて子どものころ思ってた?
  • あおい: 思ってるわけないじゃん。なんの因果かこうなっちゃったんだよ。不思議なことに。
  • れお: というわけで今回はドラえもんを談義します。華やかな花を咲かせましょうという回にします。
  • あおい: よろしく~。
  • れお: さて2016年は「のび太の日本誕生」のリメイクということで、僕らはヒヤヒヤしてたまらなかったわけですが。
  • あおい: まずさ、本来の話から入るんだけど、もともと僕ら今日は新作のドラえもん映画を観にいく予定だったじゃん? それが僕の都合でこうしてチャットしながら昨年の話に花を咲かせようという結果になっちゃってるわけだけど。
  • れお: そうだね! 本来なら今日は子どもでにぎやかな映画館に大人2人で行ってるはずだったんだけどね。あおいくんが北国で激務っていう。
  • あおい: いやー申しわけない(笑)。始発で名古屋まで帰れば間に合うはずだったんだけど、始発の時間まで仕事でさぁ。
  • れお: まぁまぁしょうがないから、こうやってパソコン上でやりとりしてるんだよね。悔しいからって去年の話を。
  • あおい: そう。いやしかしどうだった? 去年はさっきれおくんが言ったように、僕ら期待半分、不安半分で観に行ったよね。
  • れお: 「新・のび太の日本誕生」ね。僕は「のび太の日本誕生」のリメイクはもう少しさきだと思ってた。声優さんが変わってからの映画ドラえもんは過去作品のリメイクをたまにやるんだけど、「日本誕生」のリメイクはまだやってはいけない、というのがまず僕の弁ね。
  • あおい: そうだったね。じゃあれおくんがそう思ってた理由をさっそく紐解いて説明してくれる?
  • れお: イェア。僕とあおいくんの共通認識として、「声優が変わってからの新スタッフは、のび太だけじゃなくて、みんなが主役だよ、という意識を持って制作されている」という通奏低音があったよね。
  • あおい: そうだね。これは僕らの共通理解で、新作の副題を観てもらえればわかるんだけど、「ペコと“5人の”探検隊」「羽ばたけ天使“たち”」「“7人の”魔法使い」と言ったふうに、いままでは「のび太と〜」「のび太の〜」だったタイトルに加えて、ジャイアンもスネ夫も、しずかちゃんもドラえもんも、みんなが主役だよ!という主張が付け足しされている。
  • れお: これは新スタッフの勝手な判断では決してなくて、もともと藤子先生はこういう「みんなが主役」な映画をドラえもんでつくりたかったというエピソードが残ってる。第1作目「のび太の恐竜」の初期のシナリオには、出木杉くんがメンバーに入っているという資料もあるくらいなんだよね。
  • あおい: でも、結果的にはのび太ひとりが主人公になる映画を藤子プロはつくっていくことになる。これにも理由があるんだよね?
  • れお: そうなの。ドラえもん連載当時の80年代の風潮として、「主人公は一人」という暗黙の決まりがあった。藤子先生はそれに泣く泣く沿って、のび太だけが輝く「大長編ドラえもん」という映画の原作になる漫画を描いていった。
  • あおい: 「のび太は一年に一度だけ、ヒーローになるんです」って藤子先生の言葉も残ってたね。つまり、現在の新スタッフは藤子先生のやりたかったことをきちんと継いで制作されているというわけだね。スポットライトは、のび太だけのものじゃない。
  • れお: でもそれゆえに、スタッフ一新してからはのび太にだけあたっていたスポットライトが薄れていく印象がどうしてもあった。それは仕方のないことだと思う。藤子先生はもともとそれがやりたかったんだから。
  • あおい: だからこそ、リメイクする旧作の映画ドラえもんも、きちんと選別されたうえでリメイクされていた。たとえば、しずかちゃんが活躍する「のび太と鉄人兵団」、ジャイアンがキーマンになる「のび太の大魔境」。これらがリメイクされたわけだけど、のび太以外の登場人物が表に出るだけあって、「みんなが主役」を演じるいまのスタッフ体制でリメイクするにふさわしい作品セレクトだった。
  • れお: そう、だからこそ僕はドラえもんが大活躍の「のび太と雲の王国」、スネ夫が突破口を開く「のび太と竜の騎士」あたりをリメイクするべきだと思ってた。なのにやってきたのは「日本誕生」のリメイク。
  • あおい: れおくんが心配してたのはそこなんだよね。「日本誕生」は、ほんとうにのび太しか活躍しない、のび太の、のび太による、のび太のための映画だった。
  • れお: みんなを主役にするあまり、のび太へのスポットライトが薄くなっている現状で、のび太だけを輝かせようとすると失敗するんじゃないか。不安でしょうがなかったってわけね。でもあおいくんはもともと「日本誕生」のリメイクを予想してたよね?
  • あおい: そうなんだよね。2016年は新スタッフ10周年だから、旧作の10作目をリメイクするんじゃないかというのが僕の弁だった。まぁでもれおくんの言うこともわからなくはないし、僕も不安は多少あったんだけどさ。
  • れお: そんないきさつで、僕らは映画館に入るまで戦々恐々としてたわけですが。結果論的に「新・のび太の日本誕生」がどうだったか最初に言おうよ。
  • あおい: うん。文句のつけどころのない過去最高傑作だった。泣いたね、泣いた。あとガッツポーズと拍手したね。
  • れお: あっはっは。そうなんだよねー。あれだけ心配してたのになんかすごいの観ちゃったよね。
  • あおい: もともと新ドラえもんのリメイク作品っていうのは、原作を焼きなおすんだよね。原作の漫画があって、旧作の映画があって、でもやっぱり原作と旧作には違いが若干あって、そこを埋めるために原作の藤子先生が描いた原作を再現するという目的がある。
  • れお: 「新・日本誕生」に関しても、原作のよかったところをちゃんと汲んでるし、旧作のよかったところも残しつつ、かつ新作でしかできないこともやってたね。
  • あおい: 原作と旧作と新作の違いが如実に出てたね。たとえばのび太が「家出する! 第一歩を踏み出すぞ!」っていって階段から転げ落ちるシーンで、ドラえもんが「第一歩を踏みはずした…」って言うセリフ、これは原作の漫画にはなかったけれど、旧作の映画で初めて登場したセリフ。原作を忠実にやりつつ、旧作の長所も汲み取るんだよね。
  • れお: 逆に、原作にはあったけれど旧作ではカットされてしまったセリフもあったね。ジャイアンがトキの群れを見て「おぉ、ワンダフルじゃねぇか!」って言うセリフがあったと思うんだけど、たしかに「ワンダフルじゃねぇか!」ってちょっと面白くて、カットした当時のスタッフの気持ちもわからなくはないんだけど、それが新作では復活してた。
  • あおい: さっきれおくんがチラッといった「新作でしかできないこと」なんだけどさ、今回は母の愛情がまったく新しいプロットとして追加されたね。「日本誕生」はのび太が家出する話だけど、そこに旧作にはまるでなかった家族愛をテーマとして盛り込んだあたり、リメイクにふさわしい映画だと思うんだ。
  • れお: そうだね。のび太もジャイアンもみんな、必要以上に「お母さん」という言葉を使ってた。のび太が原始時代に行ってペットを自分でつくるときも、「僕は君たちのお母さんだからね」って言ってた。父ではなく母。この、のび太とペット、という関係が、ママとのび太、と対比で繋がってるんだよね。
  • あおい: そうだね。ママも、「あんたなんか出てきなさい!」って言うものの、のび太が家出をしたらさみしそうな顔してたり。それでラストシーンではがんばってるのび太を見て「おかえり、のびちゃん」って言う。号泣。
  • れお: あはは。あとさ、もうネタバレに入っちゃうけど、旧作ではタイムパトロール隊がのび太に呼ばれてみんなを助ける設定だったじゃん? 今回はのび太がほんとうに自分の力だけでみんなを助けに行くっていう設定に変わってたよね。
  • あおい: タイムパトロール隊がきたのはドラミちゃんのおかげだったね。のび太だけの映画!って感じがいままで以上に演出されてた。のび太しか活躍してないし、ギガゾンビっていう敵キャラをのび太の力で倒したあとの、もうひと山あるシーンで一石を投じるのがジャイアンとスネ夫だった。そういう面では、のび太しか活躍しないけど、みんなが主役だ、って感じを絶妙なバランスで脚本にしてたなぁ。
  • れお: のび太も輝いてるのにジャイアンも輝いてる。あれは見事だったね。
  • あおい: 僕さ、さっき言った「母の愛」ってのがやっぱりすごいと思うんだ。「お母さんにもこういう気持ちがあるよ」っていう、藤子先生でさえも気づかなかったあたらしい観点を映画に盛り込んだのはいいアイデアだった。
  • れお: エンドロールで水彩画タッチのイラストがスタッフロールと一緒に流れたじゃん? あそこでもちゃんと母の愛を表現してて、最後まで手を抜かない姿勢が見えたね。
  • あおい: 僕はそこがポイント高かったんだけど、道具伏線もれおくん気にしてなかった?
  • れお: そうだね、序盤で出したひみつ道具が最後のクライマックスで活きてくる。それがしかも新作の追加シーンでつながるんだよね。ラストシーンをふくらましたり、ママがのび太に愛情を示すシーンを入れたり、今回は原作や旧作の「物語の展開上あまり重要でない描写」をいさぎよくカットして、あたらしい描写を追加することも多かった。
  • あおい: そう。旧作ではいきさつのわからなかった設定も肉付けしてたじゃん? ククルが時空乱流に飲まれたのは「ギガゾンビが野望として企ててる計画の予行演習だった」とか。
  • れお: 「のび太が家出するのは0点の答案をママにガミガミ怒られたから」とかもそうだよね。原作旧作では、理由とか説明もなかったのに。
  • あおい: 「0点の答案」のくだりはクライマックスに活きてきたりもしたね。いちおう旧作にもあった描写なんだけど、旧作ではなんの脈絡もなくただのび太の持ちものとして出てきたものだったのを、新作では最初からきちんとつじつまが合うようにプロットを組み直してた。
  • れお: そうやって、追加シーンと伏線回収を二段構えで表現するのは見事としか言いようがないなぁ。ツッコミどころはいろいろあるんだけど、そういうのはどーだっていいんだよね。
  • あおい: ドラえもんが「さては時空犯罪者だな!」っていうけど、ドラえもんだって時空犯罪者だもんね(笑)。
  • れお: 「時空乱流に飲み込まれたククルがドラえもんたちの行った7万年まえちょうどに生きてるのはおかしくない?」とかさー。どーだっていいんだよそんなもの。
  • あおい: まぁまぁ(笑)。でもやっぱりペットとのふれあいのシーンを増やしたことで、のび太とペットたちの別れの場面でグッときたよね。
  • れお: ペットは3匹出てくるんだけど、ちゃんとそれぞれに個性やキャラ設定を加えてたね。旧作ではペガサスだけがピックアップされてたけど、それだけにあの別れのシーンは泣けるんだよなぁ。
  • あおい: あとさ、旧作で7万年まえに行ったときジャイアンとスネ夫がサイに襲われたり、ワニに襲われたりするシーンあったじゃん? あそこ新作では変えてきたよね? なんでだろう。
  • れお: サイがバイソンになってて、ワニはオオサンショウウオに変えられてたね。たぶんだけど、そういうリアルな設定のほうがより子どもに印象的だからじゃないかなぁ。
  • あおい: あ、それで思い出したんだけど、ギガゾンビの手下のクラヤミ族がククルを襲うシーンが、旧作よりも怖くなってた気がする。ククルが追いかけられて足をつかまれるとか、大人の僕が見てもちょっと怖いなって思えるくらい。
  • れお: たしかにねー。原作や旧作とくらべるとより印象的に変わってる部分も多いな。ドラえもんが「1世紀早かったか…」って言うのもそうじゃない?
  • あおい: あー、原作ではギャグみたいになってた部分ね。
  • れお: そう。ようはドラえもんが来た22世紀よりも1世紀あとの23世紀からギガゾンビがやって来てるって設定で、ドラえもんが「1世紀負けたか…」ってこぼすんだけど、それが原作ではギャグっぽくてあんまりサマにならないんだよね。でも新作ではそのあとの戦いで「1世紀の違いなんてたいしたことないぞ!」っていうセリフが追加されてて、ギャグにならないぶんドラえもんめちゃカッコいい。
  • あおい: ギャグだったのがトドメのひとことになるんだよねー。あれもよく脚本を書き直したなって思うよ。そういうあたらしい追加シーンがイキイキと効果的に響いてた。
  • れお: のび太がペットをつくるときも、新作で初めて木が絡まってるのを見てそこからDNAを連想するんだよね。それで遺伝子サンプルをふたつ合成することをのび太が思いつくわけだけど、「遺伝子」や「DNA」がペットだけじゃなくて、「ククルがのび太たちの先祖で、ククルが生きてくれたからいまの日本人がいる」につながってる。
  • あおい: うん、ちゃんとその絡まった木もペットとの別れのシーンで出てきたから、間違いないと思うよ。血のつながりもすごく上手な追加要素だよなぁ。
  • れお: 絡まった木みたいに、絵を一個入れることで色々な伏線の回収にひろがるんだよね。いやー、今年の映画も楽しみだー。
  • あおい: また今度さー、名古屋方面に来れそうなときに連絡するから行こうよ。いまちょっとツアースタッフで忙しいけども。
  • れお: うん、落ち着いたらでいいよー。俺おぼえてるから、去年の忘年会であおいくんがハイボール飲みながら涙目で「来年も観に行こうね」って言ったこと。
  • あおい: もー忘れてもいいのにそんなことー。
  • れお: まぁまぁ、てなわけでドラえもん映画公開初記念の、大人2人による回顧会でした。
  • あおい: また今年も観に行ったらこの企画やろう。インスタント座談会。
  • れお: そうだね。じゃあそれまでお楽しみに、でいいかな。
  • あおい: うん。じゃあまた呼んでねー。
  • れお: ありがとー。お相手はれおと…。
  • あおい: あおいでしたー。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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