こんな日くらい、お祝いしてもよくなくなくない? UNISON SQUARE GARDENの15周年にファンとして思うことのすべて

2019/07/24

music

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こんないい写真、かつてあったか?

UNISON SQUARE GARDENが、めでたく15周年を迎えた。バンド内はお祝いムード一色だし、ライブやリリースなどファンにとってのイベントも多い。しかし僕は、大阪で行われる宴にも行けないし、名古屋で行われた前哨戦にも落選した。CDを買うことしかできなかったので、せめてこのブログのエントリーでもって祝辞を贈りたいと思う。

ベストアルバムとトリビュートアルバム。日本のCDマーケティングのヒットの法則に則れば、新規ファンを取り入れるためのリリースである。従来のファンのためのオリジナルアルバムというわけではない。もとより田淵智也は、15周年には15周年の特別なことをふんだんにやって、普段使いのオリジナルアルバムは前作『MODE MOOD MODE』からぐんと時間を置きたいという趣旨の発言をしていた。今年は、とにかく乱痴気騒いで祭囃子というわけだ。

しかし、この新参者のためのベスト盤とトリビュート盤、もちろんのこと古株を失念させるような戯作ではない。むしろ、このタイミングで聴くことのできた古株のファンこそ、UNISON SQUARE GARDENの差し出した罠を真に受けとめた幸せ者だと思うのだ。

『Bee side, Sea side』では過去のB面曲を余すことなく収録した懐の深さはもちろん、10周年のときに『DUGOUT ACCIDENT』で見せたリミックス、リテイクもしっかり踏襲されている。そして『Thank You, ROCK BANDS!』では、「ガリレオのショーケース」にはじまり「フルカラープログラム」「MR.アンディ」など初期の代表曲を踏まえながらも、「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」「場違いハミングバード」「シャンデリア・ワルツ」など彼らの主戦場であるライブで育んできた往年の名曲が並ぶ。無論とでも言わんばかりに、初期のスマッシュヒット曲「オリオンをなぞる」、キャリアハイをレコードした「シュガーソングとビターステップ」といった、かれらのパブリックイメージを担う楽曲もカバーされている。

カバーに挑んだ第一線ミュージシャンの面々、a flood of circleやBIGMAMAなどの同期から、ピロウズ、イズミカワソラ、スカパラなどの先輩たち、なかにはSKY-HIという後輩、そして田淵とタッグを組むことの多かったLiSA。まだまだユニゾンのソウルメイトは日本の音楽シーンにいくつも挙がるが、現時点で限りなく最高に近いラインナップだろう。それぞれのカラーでもってユニゾンへの友情や愛情を表現してみせた楽曲の数々にはファンとして感謝しかない。

カバーやアレンジの妙については語り始めるときりがないので割愛するが、ぜひその耳で体感してほしい。そう、なんといっても今作には「聴き比べ盤」と称した、UNISON SQUARE GARDEN本人たちの手によるオリジナルヴァージョンが、音楽としても映像としても楽しめる仕様となっている。

先に述べた、初期の名曲からライブ定番曲、ヒット曲までが網羅された、まさしくUNISON SQUARE GARDEN15年目におけるベストアルバムの曲目である。しかしそこには、「10% roll, 10% romance」(2017年)や「春が来てぼくら」(2018年)の顔は見あたらない。

おそらく、まだ期が熟してないのだろう。そして事実、今作にそれらの顔ぶれは必要なかったと僕は思う。

彼らの15年間の珠玉の数々が、端正に整えられた演奏として輪郭を粒立たせる様子は、まるで履きこまれたレザーシューズが歳月とともにおおいなる風格を纏うその経年の過程を見せてくれているようだった。そしてその変化は、これからも深みを増すだろう。鞣された革が美しい飴色になるように、ユニゾンの歌は15年でこんなにも艶やかに劇的な成熟を果たしたのだ。

リリースから間もない「10% roll, 10% romance」や「春が来てぼくら」では、きっと見せることのできなかった光景だろう。

ロックバンドに人生を救われた、だからおなじ夢を追いかける田淵智也の哲学に、ファンを悲しませるような行為は含まれていない。カッコいい。そんな彼らが、どうしようもないくらいにカッコいい。

かつて「harmonized finale」で田淵智也は“今日が今日で続いて行きますように”と綴った。この宴は、きっと一年も経たないうちにぽっきりと幕を下ろすだろう。しかし、この15周年にファンである我々が憶える感動は、UNISON SQUARE GARDENが一切微細も変わることなく、シンプルにきわめてラジカルに、ロックバンドの哲学を貫き通した結果でもある。今日を今日として続けてきたからこそ、この祭騒ぎがこんなにも楽しいんだ。

ありがとう、UNISON SQUARE GARDEN。


おめでとう、結成15周年。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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