ヴェルーカ・ソルトを聴いて、別離に沁みる女子なるロック

2019/10/16

music

t f B! P L


キュートでパンカブルなガールズツインボーカルとか、女性版スマッシング・パンプキンズとか言われることの多いヴェルーカ・ソルトの最大の魅力は、大切なひととの別れだと思う。

自分のつくった歌は自分がうたうことをルールに、ヴェルーカ・ソルトの名前を世界じゅうに轟かせた名曲の数々(「Seether」とか「Volcano Girls」とか)はニーナ・ゴードンだが、バンドのパブリックイメージを担うハードなサウンドを徹頭徹尾支えているのはルイーズ・ポストのハスキーボイスだ。

もちろん「Seether」に代表される、ポップでロックなを売り文句にしているオルタナティブなサウンドもとてつもなく可愛いんだけれども、最大にして究極のキュートネスが表れているのは最愛との離別である。失恋と言いきってしまえば値が安いが、この部分が間違いなくヴェルーカ・ソルトのガーリーな側面を華々しく彩っている。


I've never sunk this low,
わたしは決して落ち込んだりしない
it's better if you go.
あなたがいないほうがマシ
When you're nearby,
あなたがそばにいるときは
I see you and want you to try..
気になってしまって
to love me like a monster,
私をモンスターみたいに愛してほしくなるから
one last time.
もう一度だけ
(One Last Time / Veruca Salt)

イントロから色褪せた3:4スクリーンが浮かんでくる。90sのエッセンスを一杯のグラスにつぎこんだ時代の極みみたいな曲だ。あなたが行ってしまうならしょうがないけど、でももう一度愛されたい。シンプルに切ないが、それをオルタナサウンドで奏でるところに重大な意味と深長なカタルシスが詰まっている。


Don't you wanna be Happy with me
あなたはわたしと 幸せになりたくないの?
I'm afraid if you don't come around soon
あなたが一緒にいてくれないのが こわいけど
I'll turn
でも行くね
Sadder than you ever were
いままででいちばん悲しくて
Then you'll learn loneliness is worse
あなたもわかるよ 孤独ががこんなに辛いことに
You've gotta try
努力してみてよ
(The Loneliness Is Worse / Veruca Salt)


恋愛にかぎらず、自分が人生になずんだときにすがる気持ちで聴いてしまう。“Are you happy with me?”みたいに、有り体な表現で相手の気持ちをたしかめるんじゃなく、“Don't you wanna be happy with me?”は「私ありき」の聞きかただ。「私と幸せになりたくないの?」このフレーズはまさしく自分だなぁと思ったりする。はやりの歌の幸せな愛だ恋だに自分の恋愛を重ねることなんてできなかったはずなのに、よそのだれかの悲しい唄に自分の気持ちを喩えるのは、滑稽なほど簡単だ。ヴェルーカ・ソルトは、そういう気持ちにぴったりなバンドだと思う。

荒削りなバンドの初期衝動がロックテイストとして滲み出たファーストより、女の子のポップなズル賢さがつまったセカンド「Eight Arms to Hold You」が好きだ。なにかと女々しい僕は、こういうガールズロックにめっぽう弱い。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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