昔話になる物語、オルゴールになる音楽

2019/12/16

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学生のとき、文芸学の偉い先生に言われたことがある。「昔話になる物語を書け」と。

昨今、「100分でわかる名著」とか「10ページで読み直す近代文学」とかの触れ込みで、簡単に名作のあらすじを追うムーブメントが来ている。情報過多の時勢に伴って、小説や書籍というものはシンプルになるまで削がれてしまう。

『桃太郎』も、あるいはその先例ではなかろうか。

後世へと語り継いでいくうちに、悪者は鬼に、正義に味方したものはお供の三匹に、といったふうにだ。元の骨組みのなかでどんどん略式になっていったはずだ。一説によると物語の構成というものは、『日本五大昔話』と呼ばれる、室町末期から江戸初期にかけて成立した代表的な五つの昔話に準拠すればカテゴライズできるらしい。桃太郎・かちかち山・猿蟹合戦・舌切り雀・花咲爺、すべての物語の典型はこの昔話が出典であり、あてはめることが可能だという。

話は変わるが、僕はスーパーのBGMとか、オルゴール集になるような音楽をつくりたいと常々思っている。

小・中学生の時分、まだ着メロがアイデンティティを保っていたころに音楽に感化された人間として、そのことは本当に思う。忘れたくない。

限られたたった4音のなかでなぞられた音楽が、それでも輝きを失わなければ、それはホンモノだと思う。4音とは言わずとも、主旋律をフルートで演奏したり、伴奏をシンプルにしたり、ハモリを抜いたり。スーパーのBGMや、巷に流れるオルゴール編曲された音楽で、そのなかに確と生きている時代を彩ったヒットソングたちは、輝いている。ホンモノだと思う。

自分の音楽が、間引かれたときに、なお光るものを持っていたら。「昔話になれ」と言われたあのときの言葉の大切な意味を、今更になって気づいたりするんだ。

イラストは学生のとき、おこがましくもコンクールで入賞させていただいたものの一部。少しは変われたかな。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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