女医日記

2021/06/03

essays 日記

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アレルギー性のなにかを口にしたらしく、赤い湿疹がところどころに出た。

いいかげんこれ以上は辛抱ならんと思い、「最寄駅」「皮膚科」で検索。すると、まんまその二つの医院名のところがヒットしたので、なにも考えず赴いたところ、なんか美容整形とかにチカラ入れてるクリニックだった。言われてみれば外観も綺麗でアクセントカラーにピンク色とか使われていたけど、僕はバカなので「かわいー」「おっしゃれー」としか思ってなかった。

受付のお姉さんから看護師さんからみんなやたらキレイ系のひとばっかりで、問診票を書いてるときに見渡したところ患者を含め男は僕ひとりだった。いますぐにでも外に出てここがそういうお店ではないことを確認したかったが、そういうわけにもいくまい。

診察室に通されたら、女医の先生の脚がもうすごい細長い。皮膚科にこの脚は必要ないだろって心のなかで思っていたら、「はい、じゃあとりあえず、そこの台で服ぜんぶ脱いで」と言われた。なんだこれ。もしかしてアレか? 僕は行ったことないけども、180分コースとかある感じのアレか?

いそいそとシャツや靴下を脱いでいると、美人の看護師さんが「パンツはいいです」と言った。パンツはいい。よかった、皮膚科だった。

女医さんは僕の体を上から下までじーっと見回した。以下やりとりが続く。

女医「意外と体は綺麗じゃない」
ぼく「ありがとうございます///」
女医「湿疹の度合いって意味ですよ」
ぼく「はい」
女医「顔はひどいのに」
ぼく「顔はひどい」
女医「湿疹ね」
ぼく「はい」

女医「じゃ、顔はキンダベート。身体はアンテベート。首や腕の内側はヒフが薄いからロコイド。憶えられます? 塗れる?」
ぼく「えっと…」
女医「身体には?」
ぼく「アンチテーゼ…」
女医「…あなたとあなた、塗ってあげて」
看護師1「はい」
看護師2「はい」
ぼく「えっ」

ほぼ裸で横たわる僕の体じゅうを看護師さんふたりがさわってくる。やっぱりこれはアレかな? やっぱり180分コースとかあるやつかな? ていうかこれなら180分も保たないな? とか考えてたタイミングで、「はい、では服着てくださいね」と言われたので「ひゃい」みたいな返事をしてしまった。

受診料は870円で、「安っす!」と思ったが、いろいろな含意があるので声には出さないでおいた。「や」までは出たけど。

そういうお店は行ったことないから相場とかサービスとか知らんけど、もうなにかもよおしたら蕁麻疹だせばよくない?と思った。




「一週間後にまた来てください」と言われたので先週また診てもらった。

女医「食事は規則正しく摂ってる?」
ぼく「昨夜はお寿司をテイクアウトして、脂ののったネタがいっぱいで」
女医「なんて店?」
ぼく「は?」
女医「どこのなんて店?」
ぼく「むさしっていう…旭町の…」
女医「美味し?」
ぼく「(これカルテに書くのかな…)」

みたいなやりとりを看護師さんふたりに見守られる惚気みたいな時間だった。




さらに一週間後、また診察に来てと言われた。

あの女医さん、なんかおかしい気がするけど最近は会うと笑顔を見せるようになってきていて、嬉しいとか思いはじめてる僕もたいがいおかしい。

だいたいみんな女医に夢をみすぎているのだ。女医なんかアレだ。私学で履修終えようとしたら1200万からかかるような大学行って「そんな風に育てられた」周りの男に心底ウンザリしてるし、卒業したらしたで研修医でお金も時間もないし、気づくとイイ歳なのに異性に対する自信もないし、意外と、…?  女医って最高では?

とか考えはじめたところだったんだが、その日「もう来なくていいからね」と言われてしまった。存外あっさりした最後だった。

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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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