愛と感謝のベストポッドエピソード

2021/12/07

essays

t f B! P L


ふたつまえのエントリーがすでにポッドキャストの日に書いた偏愛ポッドキャスト紹介なのにもかかわらず、また懲りずにポッドキャストのエントリーを殴り書いたので尾籠で恐縮だけどここに残させてほしい。

もちろん、9月30日(ポッドキャストの日だ)に書いたエントリーでは、10年以上まえの番組や、終わってしまった番組も多く書いたので、あくまで今回は微量ながら進路を変えて、「2021年に聴いたベストエピソードTOP10」として記し残しておきたいと思う。こういうことをするときに番組名の昇降順や配信日の昇降順、あるいは個人的愛着の優劣に従って列挙することがとにかく苦手なので、いつまで経っても僕は「思いついた順」にしか書けない。でもそれもランキングの採点基準として多めにみてほしい。あ、今回も敬称略です。リンク貼ったり便利なことたぶんしないので、Spotifyで検索してください。


たっちレディオ 2020年8月30日配信

第490回『文系理系どっちに行けばいいの?』


のっけから配信日は2020年8月30日である。今年もなにもへったくれもない。

ただ、昨年配信された高校生リスナーによる文理選択の葛藤に始まり、一橋大学の現役講師であるゲスト=サンキュータツオによるキュレーションやアドバイスの長期的な目線や視点、さらにはおたよりを送った高校生リスナーから後日届いた再会に至るエピソードまでを一直線に含めて、このあたりのエピソードは本当にいい話で何回も聴きなおした。

高校時代の当時の自分の文理選択の浅ましさも痛感したし、また一方で自分が研鑽してきた学問に関する将来的な勘定などにわたり、高校生における文系理系の岐路に関わるすべてのヒントが30年計画で得られると本気で思った。

この一連のエピソードに関して、番組の10周年企画で【たっちレディオプレイバック! 第490回 文系と理系どっちに行けばいいの?】として続編が配信されているので、ぎりぎりルールの内側であると判断して先頭に選出させていただきたい。



僕たちだけがおもしろい 2021年2月8日配信
再々々々開 第143回(通算596回)『とうもろこし畑のお婆さん』


4月をもって終わってしまった屈指の長寿番組から名物「学問のいいはなし」系のエピソード。

まくらか本編かに関わらず、仁尾智がしばしば口にする「それは、映画の題材だね」を掬ったようなはなしである。とうもろこし畑のお婆さんに関する具体的なあらすじはあえて伏せるが、佐々木あららの軽妙な説話にたいして仁尾が例によってかぶせ気味に感想を挟みながら展開するからTHE 僕おも、な回でもある。

「僕たちだけがおもしろい」ではさまざまなコーナーが名物であるが、雑学的なエピソードから魅力を引き出す学問小ネタの回は個人的にもイチオシだ。

オチのくだりで、本当に、一面のとうもろこし畑の光景に、たったひとことの台詞とともにバーバラ・マクリントックが佇む一枚画としての風景が降りてくる。シンプルにストーリーテリングとして、また二人の掛け合いとして楽しめる。


令和の作戦会議 2021年5月20日配信
『こりちゃんプロポーズ大作戦』


二人の毒舌かげんや、お互いをリスペクトしながらぞんざいに扱う姿勢があいかわらず気持ちいいんだが、ボケとツッコミの温度感がめずらしく噛み合わないくらいこりちゃんのプロポーズエピソードが興奮気味で愛しい。

舜一郎のすっとぼけた相槌に沿って進んでいくディズニーシーでのプロポーズにおいて、こと細かに差し込まれるこりちゃんのプロポーズへのこだわり、演出、細部描写が普通におもしろい。これまでの#100に至る議題の数々より二人のエピソードトークのほうが自分には刺さっていたんだなと実感。舜一郎のボケを適切に正しながらゴンドラに乗るこりちゃんプロポーズ大作戦、もはや脳内イメージは山下智久である。

PCリュックでごまかしながら指輪を持っていったこりちゃんの演技が下手すぎてドキドキする。動画を撮影してもらうお願いに至る「ジュース買ってきて」の雑さ、しかしながら前後の客に頼み込むこりゃんの周到さは用意がいいのか悪いのかもはやわからない。

動揺や祝福をともにできるので、おもしろい気持ちで幸せになりたいときによく聴いた。自分ごととしての結婚への観念は低いモチベーションを常に維持しているが、他人が幸せそうなのは本当に良い。夢の国のプロポーズはこれほど完璧なのか。ひとは他人の幸せでこんなにも笑顔になれる。


二箱目のパンドラ 2021年7月13日配信
第161回『推しポケモンを決める回』


炎上したYouTuberに知ってるひとがいない、というオープニングトークでまず、自分の加齢を実感する。まじりっけなしのクソジジイにマジで僕たちはなってしまった。

山内黒猫がついにアマプラに加入する伏線が導入されている回でもある。サブスクに縛られるとなんにもできないし身動きひとつ取れなくなってしまうのはある種の現代病かもしれないと思いつつ、本題である。

ヒキガネ霜田が「けっこう古いよ」としつつもわりかしポケモンを追っていることに驚くが、ポケモンと性格を紐づけて推しポケモンを決めるというのはポケモン赤緑世代として純粋に楽しかった。「推しポケモン占い」をめぐるヒキガネの提案と黒猫の却下の応酬はハンニバルレクチャーでもたびたび聴くことができるが、ただでさえひどいヒキガネの偏見が、ポケモンに特化することで不思議なことにエスカレートしてみえてしまう。『境目線引』の境目鶴丸もそうだが、このひとたちの偏見は気分の悪さよりもツッコミ精神を助長する。ヤドンに「歯2個しかねぇだろ」と悪態ついたりしてて視点もおもしろい。

ヒキガネのいちばん好きなポケモンを黒猫が偶然うっかり当ててしまうあたりは半分奇跡である。


ブルースピリットブルース 2021年9月8日配信
#16 ヒモを愛し、ヒモに愛された女


もっとバズってもいいと思う。

ヒモ。ジゴロ……いや、ヒモ。彼らがこんなにも奥ゆかしい生態を持った生きものであるということに気づかせてくれたとても良い回。

ヒモはまだ文化人類学でだれも追究していないから狙い目だとか、ヒモはまずライフラインが死んでいるだとか、さまざま出オチ感のすごいパワーワードが続出する。

僕自身、むかし“美工のナイチンゲール”と呼ばれた女のひとにお世話になっていた時期があり、金銭的困窮者として自身のなにかしらを拠り所する魅力で女性にすがった過去を持っている。それを「あれは確かにヒモだった」と認知せざるを得ない非常に厳しい回でもあったと言えよう。

限界男性として生きてきた過去で、ヒモとはなにか、私とはなにか、を問いかける大変タメになったんだが、心当たりがありすぎて耳が痛いのも事実である。当然のツラさげて女のひとに可愛がってもらう性格が陰として自分に作用しているとよく言われる僕は、いや、もしかしたら……まさか……。

「ヒモとの付き合いの醍醐味はクレジットカードを一枚渡すこと」に関してなぜだか「確かになぁ」と納得する不思議があった。30万円チョメられてヒモに幻滅したくだりは必聴。ちなみに僕の好きなヒモも花村萬月です。


トライアドFM 2021年10月22日配信
#044 タイラーVS盲腸 爆笑の闘病劇


ひさしぶりに腹を抱えて笑った。

感情的に早口でまくし立てられるオッサム・タイラーの鬱憤や不満がふんだんに伝わってくる回。

ZARDの「負けないで」を聴かされながら、給食当番の帽子をかぶって手術台に横たわる、パンイチのドフラミンゴ。当回でおそらくピークを迎えた爆笑のくだりは本当におもしろい。

人間はおもしろいからエピソードを覚えて話せるわけではなく、憤りや怒りを起点にするから覚えているのだ、という絶品おもしろトークのカラクリはまさにこういうことだろうと思った。

緊急入院の背景から、鎮痛剤のトリックにいたるまで、隙がなくおもしろい奇跡みたいな回で、一人の話に二人が相槌を打っているパターンとしては異例とも言える。これが文殊の知恵…!

ちなみに、腹を抱えて笑いすぎて僕のからだが大変なことになったのはここだけの話である。


蒼井ラジオ 2021年7月26日配信
219話『おれの小噺を聞いてほしいやんけ』


このシリーズが本当に好き。

仕事柄とはいえ、こんなにたくさんの小噺を抱えているぷら田は平然とすごい。三分ていどで終わるエピソードが多いが、この回を特に聴いた記憶がある。

オチを知っている話を何度も聞くにはボリュームが必要そうなもんだが、わずか一分で終わるこの話が本当に好きな自分はマジで終わってんのかもしれない。



くちをひらく 2021年7月16日配信
繪里子さんとポケモンの(可能な限りの)後日談



リスナーがとても気になっているパーソナリティの個人情報、ラジオあるあるでとてもいいと思う。

中村繪里子の天然なトークに、いつもながら的確にツッコむ吉田尚記の話術はさすがプロのアナウンサーだ。

ブースターの残骸を「骨壺」として例えてしまう中村繪里子の悪気のなさがすごく心地よく、本当に笑ってしまう。

三分の短い番組なのでこの回から続編を聴いていただくと、中村繪里子の狂気が見える。アツシの背景を「運搬中のミス」「たぶんブースターだったかたまり」「今年のお盆はこれで決まり」など婉曲表現のオーバーヒートでまくす中村繪里子のおもしろさは本物である。


墓場のラジオ-Forest Stories- 2021年1月29日配信
第1夜『Re:MUSIC談義』


満を辞してSpotify独占配信おめでとうである。「トッキンマッシュのネットラジオ」を聴いていたのでなんだか感慨深い。

シブちゃんの持ってたとっておきの話のいちばんおいしいところを持っていったノブちゃんの洞察眼と、それにたいして落ち込む間髪さえ入れずに
きちんとビックリするシブちゃんのリアクションがさっそくおもしろかった。

一端の音楽好きとして興味深い話だったこともあり、夜を過ごした雑談のなかでも突出して覚えている回。何回もリピートして聴いたら存外新鮮で、音楽フリークのなかではわりと定期的に話題に昇ることがこんなにあたらしく映るんだという発見には趣味の通念も考えさせられた。


ネオ五条楽園 2021年7月21日配信
第55.5回『あの日、バス停で女神と』


番組がほぼ例外なくおたより回だから今回のエピソードもおたより発のエピソードだが、ヤブタの予備校時代の人間関係をめぐるとてもいい話である。

「ビックリした、告白されるかと思った」と勘違いする駿台の女神にはとても好感が持てる。ヤブタのひととなりを表すとともに女神の彼女の人間性や美貌を思わせるエピソードだ。

学校裏サイトがリアルタイムにあった世代としては、裏サイトに書かれるコメントが生々しいことも知っている。だからこそ青いポロシャツの男が女神と一緒にいることを妬む声のおもしろさもめちゃくちゃ解ってしまう。

そういう束の間というか、ひとときというか、一時的なかかわりで終わってしまった人間関係はきっとだれにでもある。フェイスブックでのつながりはあるけど、これといってそこから進展のないひとづきあいもきっとある。

存在し得ないあれやこれに想いを馳せることでエモーショナルな体験を生む事実を、僕たちはもっと生かすべきだと思った。色々な距離は近いのに、遠くなってしまった場面に、感傷は宿っている。






これが僕の2021年ポッドキャストベストエピソードTOP10である。

来年はどんな番組を聴いているのかわからないけれど、空前のおもしろを発見したいハンターとしての精神をもって邁進したいと思う。

2020年に突入してからというもの、ポッドキャスト についてエントリーを書く機会も増えた。幸せなことである。15年前から僕の生活を支えているプラットフォームが、5年前に終わったと思っていたのにこんなに盛り返してくるなんて、想像しただろうか。

また細々と書き残していきたいと思うので、モノ好きなひとはいつか読んでください。今日は雨だった。


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好きな言葉は「アイスクリーム4割引」、嫌いな言葉は「ハーゲンダッツは対象外」です。趣味はドラえもん考察。読売ジャイアンツのファン。高2のとき現代文の全国模試で1位に輝くも、数学に関しては7の段があやしいレベル。

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